図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      125  
     
   たからもの  
     
  ✿大館のたからもの

 大館、というと秋田音頭にもあるように“曲げわっぱ”が思い浮かぶのではないでしょうか。天然秋田杉の美しい木目を活かしたデザイン、軽くて丈夫、長く使いこむことによって出る味わいもまた魅力の一つです。私もお弁当箱を愛用しています。そんな曲げわっぱの知名度に迫る勢いなのが“秋田犬”です。ロシアに行ったゆめちゃんやマサルちゃん、モンゴルへはまさおくんと最近では真白のさくらちゃんが、世界中にかわいさを振りまいております。さかのぼると、奇跡の人ヘレン・ケラーも秋田犬を飼っていました。 今では秋田犬会館や新しくできた秋田犬の里のほか、宿泊施設でも秋田犬に会えるところが増えています。秋田犬に会える機会が増えたのはとても嬉しいことなのですが、人目にさらされ、触られて、となると彼らの心労はいかばかりなのでしょう。人だってずっと見られていたり、知らない人に突然触られたりしたらストレスは溜まるでしょう。相手は命あるものです。自他共に認める犬好きの私「くま」は、犬がいるところに出没していますが、大館のたからものとして程よい距離をとって大切に見守っていかねば、と自戒しております。


✿ 図書館のたからもの

 では図書館のたからものはなんでしょうか。所蔵している本や新聞がそうなのですが、特に、というと大館市や秋田県のことを書いた資料“郷土資料”がそれにあたると思います。1階カウンター近くの書架に一部が貸出用として並んでいますが、大部分は郷土資料専用の特別な部屋で保管しています。 郷土資料には、県内市町村の市史や町史、大館市議会の議事録、元号で話題になった『万葉集』を訳した村木清一郎著『譯万葉』や、大館神明社の祭典のしおり、秋田犬保存会が発行している『秋田犬』の昭和58年から現在まで、個人的にびっくりしたのはオフコースの本まであることです。また図書はもちろんですが、広報おおだてや新聞の切り抜き、パンフレットも立派な郷土資料として、永年保存しています。 なぜ郷土資料は別室に保管され、貸出できないのでしょうか。それは、郷土資料の大半は発行部数が少ないので、なくなってしまったり、汚れてしまっては簡単に新しい本と交換というわけにはいかないのです。そのためご不便をおかけしますが、必要な本をカウンターまでお申しつけ下さい。館内での閲覧、必要な部分のコピーはできますのでご利用下さい。


✿ たからものへのご案内

 そんな貴重な郷土資料を間近に見られる機会があります。7月31日(水)19時と8月3日(土)10時に開催される大人の社会科見学で、昨年も行い大変ご好評いただいたものです。図書館の歴史から利用の仕方、そして普段入ることの出来ない郷土資料の部屋も特別にご案内いたします。詳細は後ほどお知らせしますので、皆様どうぞお楽しみに。


✿ 図書館まつりへのご案内

 社会科見学の前の7月6日には、図書館まつりがあります。今年で3回目、毎年たくさんの方が参加下さり、いつもは静かな図書館がにぎやかになる日です。今年はおなじみのおはなし会や寄席、古本のプレゼント、おおとり号の乗車体験にくわえ、あなたのたからものの一冊をいつまでもきれいにとっておくためのブックコートがけやスクラッチアート、しおりづくりなど体験型も数多く予定しています。図書館まつりの日はにぎやかになりますので、ご了承ください。(栗盛 くま)