図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      138  
     
   絵本を読もう!  
     
   あれよあれよと言う間に、年の瀬を迎えてしまいましたね。一年が早すぎます。まだまだやらなければならない事がいっぱいです。(笑) ところで、皆さんは今年何冊の本を読みましたか?それは、どんなジャンルが多かったですか?やはり日本文学が一番多いかもしれませんね。私はと言うと、年間100冊ほど読んだのですが、その半数以上が「絵本」でした。私は絵本が大好きなのです。今回はその絵本について私が思うことをお話ししたいと思います。

✿絵本は誰のもの?

 絵本と聞くと大人の方は「ああ、子どもが読む本か。」と思われる人が大勢いらっしゃるでしょう。確かに、読む年齢層は子どもが圧倒的に多いとは思いますが、果たして絵本は子どもだけのものなのでしょうか。私の個人的な意見ですが、絵本は「みんなのもの」だと思うのです。他の本もそうですが、特に絵本には、世代を越え万人に向けた大切なメッセージが込められています。それを感じ、受け取るのに年齢は関係ありません。 絵本は子どものものと決めつけず、ぜひ大人になった今、もう一度絵本を読んでみてください。きっと、子どもの頃には感じなかった「気付き」があるかもしれませんよ。


✿時代を越えて、色あせない魅力。

 本には人気になり増刷されるものがあります。その中でも、絵本には増刷される回数が多いものがたくさんあります。皆さんご存知「はらぺこあおむし(エリック・カール作)」は1969年にアメリカで出版され、増刷を繰り返し、全世界で累計3,000万部を販売するベストセラーになっています。50年以上経った今でも、時代を越えて愛され続けているのです。  お母さんが子どもに、そしてその子どもが親になり、またその子どもに…。何世代にもわたって読み続けられていく絵本には、決して色あせない魅力があるのだと思います。


✿絵本は人と人をつなぐ。

 子どもの頃を思い浮かべてください。大抵の方は初めて本を読んだ時、ひとりではなく誰かと一緒に読んだはずです。そして、それはたぶん絵本だったと思います。お母さんやお父さん、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に物語の中に入り込んで楽しんだ事でしょう。  絵本には他の本には無い魅力があります。それは、「一緒に楽しむ事ができる」ということです。おじいちゃんの膝の上にお孫さんが座り、お互いのぬくもりを感じながら一冊の本を読んでいる…とても素敵な光景ですよね。少し大袈裟かもしれませんが、絵本には読み手と聞き手の心をつなぎ合わせる“力”があるのかもしれませんね。 私はこれからも絵本を読み続けていくと思います。そして、読み聞かせを一生のライフワークにしていきたいと思っています。さらには、自分で絵本を作ってみたいとも考えています。私は「絵本」に出会って人生が変わりました。本当です。皆さんも本との素敵な出会いをしてください。そのお手伝いを我々図書館員がさせていただければ幸いです。 2020年も大館市立図書館では様々な事業を企画しています。もちろん絵本に関した催しもたくさん予定しています。ぜひ足をお運びいただき、家族皆さんで楽しんでください。(田代・白)


✿よいお年を!

 今年最後のコラムになってしまいました。図書館ではいろんなことのあった一年でしたが、みなさんにとってはどんな一年だったでしょうか? さて、告知です。キッチンカーに替わり「くまさんカフェ」が図書館に来てくれることになりました。1月は5日、8日、15日に3回です。クレープの甘い匂いが図書館に流れてくるのでしょうか。くまさんカフェの初日は「お正月を遊ぼう」があります。 楽しい一年のスタートになるよう、昔ながらのお正月遊びを準備していますので、ぜひお出かけください。 本当の最後になりましたが、今年も大館市立図書館をご利用いただき誠にありがとうございました。来年も職員一同、皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。(保)