図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      149  
     
  図書館に行こうよ!  
     
   新型コロウイルスの影響はいつまで続くのでしょうか。緊急事態制限が解除されたとはいえ、今までの日常が戻ったわけではありません。前回のコラムにあるように「三密」を避けることはまだまだ求められています。インフルエンザのように共存(?)していくことが求められていくのでしょうか。
  図書館では、開館はしているものの三密を防ぐための制限をさせていただいており、来館される方も少なくなり、とても静かな図書館になってしまいました。


✿図書館に行こうよ!
新型コロナの影響で、おはなし会等の事業が6月まですべて中止にせざるを得ない状況です。それ以降についても今の状況では難しいと感じています。7月11日に予定していた「図書館まつり」も中止の判断をさせていただきました。「三密」を避けながらの事業展開ができるのか、悩んだ結果です。
  ですが、図書館は開いています。コラムタイトルと同じですが、「図書館に行こうよ!」という皆さんの会話でどうぞ図書館にいらしてください。自宅待機が続き、お天気がいいと外での活動が楽しくなりますが、「図書館をもっと身近に、暮らしの中に」(日本図書館協会のキャッチコピーです)組み入れてみてはいかがでしょうか。
  図書館の基幹業務は、図書の貸出です。貸出冊数無制限は5月末で終わりましたが、毎週のように新しい図書が入ってきています。たくさんの本が皆さんをお待ちしております。どうぞいらしてください。


✿あるかしら?

 ポプラ社といえば「かいけつゾロリ」や「おしりたんてい」が子どもたちには超がつくほど人気です。調べ学習に欠かせない「ポプラディア」も発行している出版社です。
  ヨシタケシンスケさんの「あるかしら書店」とポプラ社がコラボした「あるかしら文庫フェア」が書店さんでは行われているようですが、図書館は書店ではないものの、「こういう本あるかしら?」にはお応えできます。正面入り口から入ってすぐのところにあります。図書館では2回目となる「あるかしら文庫フェア」です。
 「ん~ん、今の私の気持ちに応えてくれる本あるかしら?」「はい、この本はいかがでしょうか?」


✿紫陽花を植えました

 図書館の正面玄関横に大きな欅の木がありました。かつて何度か切った跡が見られましたが、枝が電線にもかかってきて危険なこと、すでに緑の葉をつけ始めていましたが、これが落ち葉となって図書館はもちろんご近所の方々のご迷惑になっているのでは、と切ってもらいました。大きな木でしたので、ぽっかりと大きな空間ができ、今まで隠れていたものも見えてきました。それを再度隠す、というわけではないのですが、紫陽花を植えてみました。
 ちゃんと根付いてくれて、何年かすればアジサイ庭園になっているかもしれません。楽しみに見守っていただけたらと思います。


✿「コロナとたたかう ぼく」

 何度かおはなし会に来ていただいたことのある絵本作家の塚本やすしさんが「コロナとたたかう ぼく」という絵本を2日間で書き上げ、先月出版されました。バイリンガル絵本としてよこみぞみゆきさんが英訳しています。コロナとの戦い方をお父さんがぼくに教えてくれます。 コロナのことを考えるとため息しか出てきませんが、最後のページのようになることを願っています。 どんな最後のページかを想像しながら一度手に取ってみてはいかがでしょうか。


✿ちょっと個人的ですが

 皆さんには好きな作家さんっていらっしゃいますよね、多分。
  私の好きな作家は別にして、図書館で仕事をさせていただくようになってうれしかったことを紹介させてください。
 私が初めて購入した絵本は「おおきなきがほしい」でした、見たら初版本です。もう40年以上も前のことです。長い間本棚に入っていましたが、再会したのは岩手県山田町の図書館で大型絵本としてでした。ここの図書館にもありました、長い間読まれていることが何となくうれしかったですね。絵は村上勉さん。
  村上さんの絵本との次の出会いは「ドン・キホーテ」です。これは最近のことで、大人が声に出して読むといいと紹介され、「ここの図書館にもあるかな?」といわれました。絵本・世界の名作の中の1点です。幸いなことに、この本も栗盛と花矢に所蔵されています。村上さんの絵ですが、2冊はまるで趣の違う作品です。
  絵本は子どものもの、という概念をお持ちの方は少ないとは思います。たとえ小さい子向けの絵本であっても、大人も楽しめる絵本、大人が楽しめる絵本を知ってほしく、書かせていただきました。 皆さんの初めて買った本、絵本はどんな本でしょう、それは図書館にあるのでしょうか。(保)