図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      154  
     
  読書で“心”に栄養を  
     
    昨年は暖冬だったので、夏は涼しくなるかと思いきや、やっぱり暑いです。いつもの夏より湿気が多い気がしますね…。熱中症など体調管理には十分にご注意下さいませ。本来なら今年の夏は、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、違う意味で“熱い夏”になったはずですが…とても残念です。でも、来年に期待しましょう!
 ところで、皆さまは夏バテなどしない様にちゃんと栄養を摂っていますか?『栄養』といえば、人間の生命維持のために必要な食べ物や飲み物などを想像しますが、それ以外にも、人間にとって大切な『栄養』があると思うのです。今回はそんなお話しです。

✿やっぱり大切『体の栄養』
 先ずはこれ!三大栄養素と言われる炭水化物・タンパク質・脂質。ビタミンやミネラル。そして、体の約70%を占める水。などなど…なんだかんだ言っても人間にとって一番大切で、必要不可欠な『体の栄養』です。これが無ければ私たちは生きていけません。バランス良く摂取して、健康な体、強い体を作りましょう。「健全なる精神は、健全なる身体に宿る。」ですよ。
  図書館には栄養を知る本やおいしく栄養が摂れる料理本などがありますので、是非ご参考にしてみてくださいね。

✿あれば助かる『知識の栄養』
 続いてはこちら!あればあるほど、生きていく上で自分を助けてくれるオブザーバー的存在、頭に必要な『知識の栄養』です。社会生活などにおいて、この『知識』は武器になります。知識が多ければ、いろんな角度から物事を見て行動することができます。その知識の栄養を素早く吸収できるもの、それは…そう『本』です!本は、著者が経験したことや研究したことなどを血のにじむ様な思いで文章にまとめ上げ、それを惜しみなく読み手に伝えてくれます。言わば、本は知識そのものなのです。体の栄養は無理ですが、知識はいくらでも頭の中に蓄えることができます。必要な時に頭の引き出しからパッと取り出して、自分を成長させる栄養として使いましょう。

✿しっかり摂りたい『心の栄養』
 最後にこれです!個人的には、体の栄養と同じぐらい大切なものだと思っています。 人は体を動かすための『体の栄養』は、意識し摂取する様に気をつけていると思います。しかし、この『心の栄養』には無頓着のような気がします。体の栄養バランスを意識して食事をする様に、心にも栄養を与えましょう。
 旅行をしたり、きれいな景色を眺めたり、ショッピングや友人とのおしゃべりなども心の栄養になると思いますが、このご時世です…。そこで私がおすすめするのは『読書』です。小説は想像力を高め、心を豊かにしてくれます。絵本や詩集は、心を癒してくれます。自己啓発本などは、心を元気にしてくれます。どんなジャンルでも、その人にとっては心の支えになってくれることもあるでしょう。読書は心の栄養です。本をたくさん読んで、強くて健康な心を作りましょう。
 いかがでしたか?一言に栄養といっても、いろいろあることがお解りになって頂けましたでしょうか?知識の栄養も心の栄養も目には見えないものですから、イメージするのは難しいかもしれません。しかし、体の栄養と同じく『いいもの』を“摂ろう”と意識するようになると思います。そして、どんなものを“摂取”するかはあなた次第なのです。好き嫌いをせず、バランス良くいろんな本を読みましょう。すべてはあなたを成長させ、あなたを作る大切なたいせつな『栄養』なのですから。(田・白)