図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      155  
     
  カウンターからこんにちは  
     
   6月から栗盛記念図書館のフロア担当になりました。今までは人手の足りない時や土日のヘルプぐらいでしかカウンターに入ることがなかったので、常に居ることでの発見もあり、新鮮な気持ちで働いています。いつも利用してくださっている皆さまも、図書館って行ったことないなーという皆さまも、改めましてどうぞよろしくお願いいたします。

✿図書館ですきな仕事
 このコラムも150回を超え、おすすめ図書の紹介やイベントの案内というのがパターン化してきたような気もして、今回は違う視点から…“図書館職員の図書館的日常”について少し触れてみたいと思います。
  秋になると、小学2年生の施設見学がちらほら入ってきます。その際、最後に質問があればお受けしているのですが、「図書館で働きたいと思ったのはなぜですか?」「働いていてたいへんなお仕事はなんですか?」など、心にグッと刺さる質問に、答えながら初心を思い出させていただいています。「図書館にはどんなお仕事がありますか?」という質問はよく受けますが、“図書館的日常”の中で私が今好きな仕事は、「選書」でしょうか。限られた予算の中で、バランスよく、かつ利用者のニーズにも合うような図書を選ぶセンスが求められる難しさはありますが、本好きとしてとても楽しい作業です。なるべく偏りがないように選んでいるつもりではありますが、「こんな本を購入してほしい」というご要望がございましたら、遠慮なくお声がけください。ぜひ参考にさせていただきたいと思います。

✿蔵書点検実施中
  もう一つ、私の今好きな仕事をあげるとすれば「蔵書点検」です。ただ単に無心になれるから、という理由なのですが。年に一度、所蔵資料すべてをハンディターミナルという機器を使い一冊一冊読み込み点検する作業で、現在は開館時間中に手分けして閉架書庫内などを点検しています。10月5日から9日までは、本紙でもお知らせのとおり、栗盛記念図書館は休館して開架フロア(1階部分)や移動図書館おおとり号の車内などを点検します。利用者の皆さまにはご不便をおかけいたしますが、花矢、比内、田代の3館は通常に開館しております。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

✿わっしょい!
 本の紹介も少し。現在の新刊本の中でのおすすめは『わっしょい 深川八幡水かけ祭り』(やじま ますみ/作・富岡八幡宮/監修)。おまつりの絵本です。例年であれば大館でも神明社例祭のために、お神輿のために、“わっしょい”のために、練習の笛の音やお囃子が聞こえているはずですが、今年はコロナ禍でそれも聞こえず淋しいものがあります。その代替と言ってはなんですが、絵本でおまつり気分を味わってみてはいかがでしょうか?(貸出中の場合は予約を承ります。)

✿図書館のよいところ
 夏休み期間中に教員の方々の研修を受け入れる機会があり、外部の方の視点を通して、改めて図書館というところについて思うことがありました。ある方は、返却本を棚に戻す際、「本当は借りるつもりがなかったのに、この本を手にとった時に近くのこの本にも目がいって、借りてみようと思ったのかな?」と思ったそうです。ネット購入では目的の本しか買わないことが多いけれど、図書館では本との偶然の出会いがあるんですね、と仰っていました。私も返却の際同じく感じることはあるのですが、目的もなく(または目的のついでに)書架をまわって本を探す・出会う経験は物凄く当たり前すぎることだったので、それを気づきとして捉える方がいらしたことに驚きました。図書館や書店にはそんな良いところもあったんだと改めて実感した次第です。目的がなくても、書架の端から端までずーっと眺めてみるだけでも楽しいのでぜひおすすめしたいです。時間がない方は、カウンター前におすすめテーマ図書を置いていますから、そちらをチェックしてみてくださいね。ふだんは手にとらないようなジャンルの掘り出しものが見つかるかもしれません。

✿読者募集中!
 掘り出しものといえば…。正面玄関を入ってすぐのところで「いままで一度も借りられたことのない本」フェアを行っています。せっかく所蔵しているのに、哀しいかな誰にも見つけてもらえなかった本たち、その第一読者になってみませんか?13日までの展示です。ぜひご来館のうえ、貸出にご協力ください。(栗盛・西)