図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      164  
     
  もうすぐ節分  
     
   立春が変動して2月3日になるため、今年の節分は2月2日になります。
1月2月は1年で最も寒さが厳しい時期。この冬はいつも以上に雪も多く、まさに今が冬本番です。

✿鬼・あつまれーっ!
鬼(おに)・ おそろしい姿形をして、すごい力をもち、人間を苦しめるとされる想像上の怪物。隠(おん)という字の読みがなまってオニになったとされ、頭に牛の角をはやして腰にトラの皮のふんどしをつけた一般的なイメージは、陰陽道(おんみょうどう)の影響とだといわれる。陰陽道では丑寅(北東の方向)のことを鬼門といい、鬼の集まる場所であると考えられている。また、仏教の影響も受け、夜叉(やしゃ)や羅刹(らせつ)といった荒々しい神や、死んだ人を責める地獄の獄卒(ごくそつ)のことを鬼という場合もある。さらに悪霊や亡者、異民族など、人々がおそれる者を鬼と呼ぶことがある。*総合百科事典ポプラディア新改訂版2/ポプラ社
「鬼は外!福は内!」節分には豆をぶつけられ、桃太郎には退治され、なにかと悪者にされる鬼ですが、心やさしい鬼、泣き虫鬼、可愛らしい鬼、さびしがりやの鬼、人間を励ます鬼・・・ 節分にちなんで、今回は「鬼」の登場する子どもも、大人も楽しめる本を紹介します。
○節分の夜「鬼はうち~」叫んで豆をまいた男の子の前に、突然あらわれた二匹の鬼がプレゼントとしたものとは?『鬼のおくりもの』金田喜兵衛・作/狩野ふきこ・絵/ひくまの出版
○古い絵巻や仏像を手掛かりに鬼本来の姿や、鬼ごっこの由来、世界各国の鬼(のような者たち)を紹介している『鬼が出た』大西廣・文/梶山俊夫ほか・絵/福音館書店
○この世と地獄を往き来きしたと伝えられる平安時代の文人小野篁(おののたかむら)の少年時代を描いたファンタジー。鬼になりきれない鬼たちの姿が悲しく愛おしい『鬼の橋』 伊藤遊・作/太田大八・絵/福音館書店
○鬼の世界にも山族と海族がいた!日本各地の残る鬼の史跡から、それぞれの特徴や生活習慣を紹介している『オニの生活図鑑―ヒサクニヒコ不思議図鑑1』ヒサクニヒコ・文・絵/国土社
○奈良の唐招提寺(とうしょうだいじ)で大工見習いの少年が聞いたのは、小さな鬼の泣きき声だった・・・最後のページの鬼の表情に注目!『すみ鬼にげた』岩崎範枝・作/松村公嗣・絵/福音館書店
○鬼にさらわれた娘たちを救うために立ち上がったのは、敵も味方もなんとも可愛らしい野菜たち!『やさいのおにたいじ・御伽草子酒呑童子より』つるたようこ・作/福音館書店
○人間と仲良くなりたい心やさしい赤おにと青おにの友情を、柔らかな文章で語りかけ時代を越えて愛される『泣いた赤おに』浜田広介・作/つちだのぶこ・絵/あすなろ書房

✿いい顔で!
「この時間で、まだこんなに明るい・・・」そう感じる節分の翌日は立春。暦の上ではこの日から春になります。
まだまだ寒さは続きますが、日脚は日に日に延びていき、季節は冬から春へと移り変わっていきます。
では、最後にもう1冊。 ラクダ?コアラ?まるで動物の顔のようにも見える、木の芽の冬の姿をクローズアップした写真絵本『ふゆめがっしょうだん』冨成忠夫・茂木透・写真/長新太・文/福音館書 みんないい顔で春を待っています。暖かい春の準備はもうそこまで来ているのかもしれません。(栗盛:さ)