図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      167  
     
  ○○のお供  
     
   長い冬も終わり、三月になり春の気配が感じられてくると、そろそろどこかへ行きたくなります。いつもならばあれこれと計画を立てられるのに、今は新型コロナウイルスの影響で、出かけることも慎重になります。一日でも早く、何の気兼ねなく誰とでもどこへでも旅行ができる日が来ることを願っています。 

✿ 旅のお供
 旅行へ出かけるとき、必需品ではないけれどそばにいて欲しいアイテム、「旅のお供」はありますか。私の旅のお供は文庫本です。しばらくの間、ペーパードライバーだったので、移動手段は電車でした。その時の頼れる相棒が文庫本でした。電車に揺られている間は読書はお休みです。乗り物酔いが激しいので、どんな乗り物でも乗っている間の読書は厳禁です。外の景色を眺めていつの間にか夢の中、というのが常でした。なので文庫本の出番は、乗り換えのための待ち時間であったり、待ち合わせまでの時間つぶしであったりでした。
 そのため、長編小説ではなくエッセイや短編集をよく利用していました。私がお気に入りだったのが、梨木香歩『家守綺譚』(新潮文庫)やアンデルセンや小川未明などの童話集です。どこから読んでもいいし、ひとつのおはなしも短いので、よく一緒に出掛けました。
 特にお気に入りだったのは、イソップです。子どもの頃からイソップ物語は好きでした。岩波文庫の『イソップ寓話集』を見つけて、よく持ち歩いていました。車を運転するようになってからは手にする機会が減っていたので、先日読みなおそうと思い本棚を見ましたがありません。人に貸すことはない本なので、どこかへ置き忘れたのか今となっては分からずじまいです。「母さん、僕のあのイソップ寓話集、どうしたんでせうね?」・・・。

✿読書のお供
 本を読むときにもお供がいます。それはしおりとブックカバーです。しおりは、本にはさまっているおまけ(?)のもですが、旅の記念としても買ったり、おみやげに頂いたりしているうちにいつの間にかたまっていました。素材も紙はもちろん、木や織物など様々です。使うしおりはある程度決まっているのですが、本の中身によってこのしおりにしようか、こっちがあうか、と選ぶのも楽しみの一つです。
ブックカバーは出先で本を読むときに活躍します。以前、手作りのブックカバーに凝り、盛んに作りましたが、最終的には頂いた革製のブックカバーが一番手になじんでいます。
今、電子書籍が出回っています。スマホやタブレットが一台あれば何冊も好きなだけ読めるので、とても便利なのでしょう。ですが、私の読書のお供の出番がなくなってしまいます。なので、私は紙の本にこだわっていこうと思います。

✿「春休みおはなし会」開催します
 3月26日(金)10時から11時まで、栗盛記念図書館多目的室で「春休みおはなし会」を開催いたします。おはなしの森さんが、春をテーマにしたおはなしをたくさん用意しています。楽しいおはなしで春を満喫しませんか。ご来館の際にはマスクの着用をお願いします。(栗盛:くま)

✿11年目への通過点
とても個人的なことですが。
昨日が、東日本大震災から10年目でした。まだ10年、もう10年、とテレビでは言いますが、この10年間「東北復興地」で知り合った方々にとっては、節目ではないのだと感じています。気仙沼市にお邪魔するようになって10年。お世話になっている方のご近所さんから写真の布のお地蔵様をいただいてきたことがあります。それから何度かお邪魔しましたが、亡くなったことを聞き「玄関に並んだあのたくさんのお地蔵様には会えなくなったんだなあ」と淋しく思ってしまいました。
石巻市の震災遺構として残された大川小学校跡地で語り部をされている方は、「ここは特別なところではない」という風に話されます。校歌の中に「未来へ」という言葉が入っていたそうです。大川小はとても素敵な小学校だったと想像できる校舎です。
3月11日は「東北復興地」にとって未来への通過点であることを心したいと思います。(保)