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図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常― |
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変化…そして感動!! |
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私は2019年の8月もコラムを担当し、「楽しいお盆休みも終わり…」と書いておりました。まさかその半年後に、今まで経験したことがない事態が起きようとは予想だにしておりませんでした。次の年には半世紀以上ぶりにオリンピックが東京で開催されるということで、徐々に盛り上がりを見せ始めた矢先のことでした。その後『2020東京オリンピック』は1年延期され、このときでさえも、「1年もたったらコロナも落ち着いてなんとかなるだろう」と安易に考えておりました。そしていよいよ2021年を迎えましたが、コロナ感染の勢いは衰えるどころか、様々に変異しその勢いを加速しています。オリンピック開催か中止か賛否両論ありましたが、結局無観客という形で開催されました。オリンピックが開催されたことが良かったのか悪かったのかはさておいて、アスリートたちが純粋に全力で挑んでいる姿には拍手をおくり、感動をいただきました。そこで、今回のテーマは「変化からの感動」です。最近読んだ本で、その変化に考えさせられた本、成長の変化に感動した本などを紹介してみたいと思います。
✿「みんな少女だった」
『いつかあなたをわすれても』(集英社)桜木紫乃・文 オザワミカ・絵
この作品は、直木賞作家の桜木紫乃さんが初めて書いた絵本です。桜木さんの作品で、『家族じまい』という作品がありますが、認知症の母と年をとっても横暴な父と、その状況に戸惑う娘たち、その家族模様が描かれています。この作品に登場する孫娘の視点から描かれているのが、『いつかあなたをわすれても』という絵本なのです。親が認知症になり、子どものことを忘れてしまう…これほど悲しいことはないと思っていました。でも、この本を読んで少し自分の気持ちに変化があった気がします。みんな少女だったけど、女の人になって、母になって、そして年老いていく…順番ですから。「もしもいつかあなたをわすれる日がきても、わすれてしまうあれもこれも、みんななかったことではないのだから」…この文でとても安心した気持ちになりました。そして、「みんなのことをわすれる日は、わたしたちとのおわかれを、こわがらずに、かなしまずにすむ日」と書かれていました。そんな風に考えることができたら、たとえ家族が認知症になっても、受け入れることができるのかなと感じました。
✿「成長のうれしさと寂しさ」
『あきらがあけてあげるから』(PHP研究所)ヨシタケシンスケ・作・絵
主人公のあきらはまだ小さくて、お菓子の袋も缶ジュースもなんにもあけることが出来ず、早く大きくなって、お父さんとお母さんになんでもあけてあげたいと思っています。親としては、子どもの成長を願いながらも、自分を頼らないとなんにもできない子どものままでいてほしい気持ちもあります。この子どもの成長の変化と、親の心の葛藤が絶妙に描かれている作品でした。
✿「ずっとみかただよ…」
『ぼくとあいつ』(ニコモ)きむらゆういち・作・絵
「ぼく」とは犬のスウ。「あいつ」とは、ぼくが飼い主に選んでやった小学生のゆうま。この絵本は犬のスウ目線で書かれていて、スウはゆうまのことをまるで保護者のように見守っています。そんなある日ゆうまがどこにも見当たらず、スウは心配で探し回ります。でもゆうまは修学旅行に行っていたのです。やがてゆうまは中学生になり少しずつ成長していきます。この変化は、スウにとってはうれしくもあり、寂しいことでした。でも、スウは思うのです…「ボクはいつもいつまでもずっとずっとあいつのみかただよ。」
おすすめの絵本を3冊紹介しましたが、ほかにもいろんなジャンルの本がたくさんあります。是非一度図書館へ足をお運びください。スタッフ一同皆さんのご来館をお待ちしております。
(田代 安) ) |
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