図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      191
 
     
  春よ、来い  
     
   3月に入りあんなに降り続いた雪も雨に変わり、積もった雪を溶かしています。今年の冬は例年にない大雪に見舞われ、いつもは家族に任せている雪かきに私も参戦、腕と腰に湿布を貼り頑張りました。「雪かき忙しくて本を読む暇なくて」「道路酷くて図書館に来るのが大変」と利用者の方との会話も雪のことばかり。私も外出しないで読書をと思っても降り積もる雪を片づけないといけないし、就寝前本を開いてもすぐに睡魔に襲われいっこうにページは進みませんでした。逆に1冊の本を長く楽しむことができました。北京オリンピックも楽しかったですね。コロナのニュースが続くなか選手の頑張りが日本中を明るくしてくれました。特にフィギュアスケートのエキシビションでの羽生結弦選手の「春よ、来い」は心に響きました。今年は大雪とコロナ禍でつらい時期を過ごしたからこそ一層春の訪れが嬉しく感じるのかもしれません。心と体の疲れを回復させて春を待ちたいと思います。「春よ、来い」


✿新生活にむけて
 春と言えば進学、就職、そしてサークル活動など新生活が始まる季節です。新しい環境に飛び込むのは本当に勇気が必要です。人間関係など不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。そんな時ちょっと背中を押してくれる本を紹介したいと思います。

『「繊細さん」の本』武田友紀∥〔著〕
 「繊細さん」をご存じですか?「繊細さん」とは一般にHSPと言われ非常に繊細で敏感な人を指します。5人に1人が当てはまる生まれつきの性質です。人のちょっとした言動や動きに動揺したり、音、光、匂いに敏感に反応するため生きづらさを感じる人も多くいます。この本では「気づきすぎる」を長所としてとらえ、毎日のストレスを防ぐ簡単なワザ、人間関係を楽にする技術を伝授してくれます。

『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』Jam∥まんが・文
 SNSからリアルな人間関係まで、現代社会の悩みを解決する目からウロコのちょっとした考え方のヒントをマンガとともに教えてくれます。「気にしすぎ」と考え方を変えるだけで悩みがスーと軽くなります。

『友だち幻想』菅野仁∥〔著〕
 人とのつながりは何よりも大切です。しかしすべての人との関係をきちんとやらなくても大丈夫、「合わない人もいる」と思えば楽になります。人と人との距離感覚を磨き、上手に「つながり」を築けるように導いてくれます。


✿子どもの本総選挙結果発表
  小学生が選ぶ!「子どもの本総選挙」で『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』廣嶋玲子∥〔著〕が1位に選ばれました。店主紅子が訪れた客に不思議な力のある駄菓子を勧め、望みを叶えてくれます。しかし食べ方を間違えると恐ろしいことに。ドキドキする物語です。アニメ化もされているので知っている方も多いのではないでしょうか。図書館でも子どもたちに大人気です。大人の方も楽しめると思います。


✿最後に
 図書館に勤務してそろそろ1年になります。仕事にもだいぶ慣れ、利用者のみなさんのお顔を拝見するくらいの余裕も生まれました。マスク着用のため表情がわからないのがとても残念です。まだまだご迷惑をおかけすることがあると思いますが、マスクの下では笑顔でお迎えするように心掛けています。ぜひ図書館に足をお運びください。(比・伊)