新緑が美しくなってきました。気候も暖かく、散策するのにもちょうど良い季節です。私の毎日の散歩のルートは犬任せで、大体は田んぼ道を歩いています。田んぼに水が張られると、徒歩ならではの目線で、水面に映る逆さ鉄塔や、雲などを期間限定と楽しんでいます。この時期に花や緑に触れて楽しんでみませんか。図鑑や育て方の実用書、写真・イラストなど、いろいろな楽しみ方ができる本をご紹介したいと思います。
✿調べて楽しむ
田植えの手伝いをしてると、地面の草花、いわゆる「雑草」が目に付きます。毎年この草花は何?と思うだけでしたが今年は調べてみました。「雑草」というと、庭や畑のじゃまもの、やっかいものを表すように思っていましたが、「雑草」は人間が育てている植物以外に生えてくる草。とのこと。
『散歩が楽しくなる雑草手帳』(東京書籍)稲垣栄洋・著
『野に咲く花便利帳
身近な雑草から山野草まで248種』(主婦の友社)稲垣栄洋・監修 主婦の友社・編
野原や空き地、道端に咲く花などを季節に分けて紹介。花の基本データに加え、どんな場所に咲いているかといった解説も掲載され、雑学も楽しいです。
✿育てて楽しむ
おおとり号の貸出業務や、大館市内の各図書館に本の搬送で市内を回ることがあります。最近は車から見えるお庭や生垣、学校の周囲などの植栽も楽しみにしています。
『色と形で見わけ散歩を楽しむ花図鑑』(ナツメ社)大地佳子・著
小池安比古・監修 亀田龍吉・写真
園芸植物、野草、樹木を問わず、身のまわりでよく見かける代表的な花555種を、色と形で検索できる花の図鑑。花や葉のデータ、特徴、生態、名前の由来などを解説するほか、五感を使った観察のすすめ、つながっている生き物なども紹介。まずはハンディサイズのこの本で、気になる花や植物の名前を調べ、興味をもったら、図書館でまた別の「育てる」本を参考にどうぞ。
✿写真や絵で楽しむ
『美しき小さな雑草の花図鑑』(山と渓谷社)大作 晃一・写真
多田 多恵子・文
雑草がこんなにもきれいだったなんて…。ページいっぱいに拡大された数ミリから数センチの小さな雑草の花々を、ルーペで観察しているかのように楽しめる、アートな雑草図鑑。身近な雑草約100種類、超拡大した花の写真が色別に紹介されています。
『おさんぽ』(主婦の友社)前田まゆみ・さく え
『野の花えほん』『庭に咲く花えほん』(あすなろ書房)で、野の花で季節を楽しめる、家族で楽しめる植物図鑑えほん&ガーデニング入門をイラストでわかりやすく紹介する作者の、お散歩に出かけたようにページをめくれる「体験型お散歩絵本」。「たんぽぽ・だんごむし・ちょう・ねこ・いぬ・きんぎょ・あり・チューリップ・すずめ」など、お散歩で出会える動植物が子ども目線の世界でリアルに描かれています。おさんぽデビューさんにおすすめです。
✿花や緑に携わる
来年の朝ドラ「らんまん」のモデルは、「日本の植物学の父」とよばれる、牧野富太郎さん。今年、生誕160年を迎えました。関連本は図鑑、伝記、随筆集などの所蔵があります。ここでは小説をご紹介します。
『ボタニカ』(祥伝社)朝井まかて・著
明治初期、小学校中退ながらも独学で植物研究に没頭した牧野富太郎。東京大学理学部植物学教室に出入りを許され、新種の発見など目覚ましい成果を上げるが…。ただひたすら植物を愛し、その採集と研究、分類に無我夢中。莫大な借金はすべて「なんとかなるろう!」貧苦にめげず、不屈の魂で知の種(ボタニカ)を極め続けた稀代の植物学者を描く、感動長編小説です。
草花・樹木の名前を知ると身近に感じられ、散歩の楽しさが増すのでは?とご紹介しましたが、違う視点でも書かれた「植物」本がたくさんあります。どうぞ図書館をご活用ください。(栗盛 岸)
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