図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      208
 
     
  冬の訪れとともに  
     
   あっという間に秋が過ぎ、近くの銀杏並木も黄色の葉をすっかり落としました。裸になった木々は寒さを一層感じさせます。冬の準備はお済みでしょうか。昨年はこの時期の積雪に大慌てしたのを思い出します。朝起きて雪が積もっていると子供のころはただただうれしかったのに、今は面倒なことばかり、憂鬱な気分になります。大人になっても楽しいことはたくさんあると思いますが、寒さに弱いうえ、無精者の私は今年もコタツの中で過ごす冬になりそうです。

故郷の味
 冬の楽しみの一つ「鍋」。 私の故郷山形では芋煮が有名です。秋になると毎週のように河原で芋煮会を開いていました。みんなでワイワイ作りながら食べる芋煮は格別でした。今では下ごしらえ済みの材料だけでなく鍋、まきなどすべてを河原に配達してくれるお店もあります。具材にゴボウやキノコが入っているものや、締めにうどん、カレー味もあって進化に驚きます。しかし、やっぱり食べたくなるのは母が作るいつもの芋煮です。大館は何といってもきりたんぽ鍋ですね。新米の季節はもとより、人が集まるときには決まってきりたんぽ鍋が出てきます。きりたんぽにもそれぞれの家庭でこだわりの味があるようです。私はお米の香りがする作り立ても次の日の溶けかけのきりたんぽも大好きです。寒い日にあったかいきりたんぽ最高ですね。『一人旅日和』3巻(秋川滝美著)にきりたんぽ鍋が出できます。表紙の絵もとてもおいしそうです。この本を読んだ秋田出身の方はきっとふるさとのきりたんぽの味を懐かしく思い出すのではないでしょうか。

誰かのために
 比内公民館の芸術文化祭に合わせ比内図書館では図書館まつりを開催し、工作体験としてしおりづくりを行いました。毎年楽しみにしてくださる方もおり、大勢の方の参加がありました。「ピンクが好きだよね。お花がいいね。」一緒に来られなかったお友達へのプレゼント?そんな微笑ましい会話が聞こえてきました。どんなしおりができたのか見せてもらえませんでしたがきっと喜んでもらえるしおりができあがったと思います。贈る相手のことを想いながら作っている時間は楽しそうで素敵ですね。心が温かくなりました。私も今年生まれた甥と姪の赤ちゃんに何か作ろうかな、などと考えています。

あらためて気づくこと
 
図書館に勤務するようになって、新聞や雑誌に多くの本に関する記事や広告が掲載されていることに気づき驚きました。今までも変わらず読んできたはずなのに、印象に残らなかったのか、視点が変わったのか、改めて気が付き、自分の世界が広くなるようでうれしくなります。気になる本は図書館で探してみます。その中の一つ『変な家』(雨穴∥著)題名だけを見て変わった間取りの住宅を紹介する本だと思ったのですがオカルト系の不動産ミステリーでした。自分では進んで手に取らない本です。勘違いから新しいジャンルの本に出合えました。皆さんも気になる本がありましたら是非気軽にお尋ねください。 (比・伊)