図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      256
 
     
  秋の終わりのミステリー  
     
 

なんだか、どこかで聞いたことのあるようなタイトルですが…。
 それはさておき、「読書の秋」と申しますが、皆さん本を読んでますか!これからは、こたつでぬくぬくしながら読書ができる最高の季節になりますね。どんどん本を読みましょう!ということで、今回はこんな季節にぴったりの秋の夜長にずーっと読んでいられる“シリーズもの”のおすすめミステリー小説をご紹介いたします。それでは、どうぞ!

東野圭吾『ガリレオシリーズ』(文藝春秋)
 天才的な頭脳を持つ、帝都大学助教授の物理学者“湯川学”が、現実ではあり得ないと思われる不思議な事象を科学の力で解明し、数々の事件の謎を解決していく物語。緻密なトリック、斬新なストーリー、先の見えない展開、どんでん返しの結末…どれをとっても非の打ち所がない“東野ワールド”をご体感あれ!


今野敏『隠蔽捜査シリーズ』(新潮社)
 東大法学部卒。冗談ひとつ言わない、愛想がない、周りからは「変人」と言われる警察官僚の“竜崎伸也”だが、いざという時は最も頼りになる男。自分の心情に従って正義をふりかざし、組織を揺るがす連続殺人事件に真正面から対決するストーリー。警察小説の歴史を変えたといわれる大ヒットシリーズをぜひ!


神永学『天命探偵・真田省吾シリーズ』(新潮社)
 養護施設で育ち、その後、元警視庁の敏腕刑事山縣に育てられた青年探偵“真田省吾”。彼と共に「ファミリー調査サービス」を営む。真田は正義感が強く無鉄砲で突っ走る性格だが、大事故にあっても九死に一生を得る強運の持ち主。読み始めると止まらない!人気絶頂アクション・クライムミステリーです!


小路幸也『花咲小路シリーズ』(ポプラ社)
 舞台は地方都市の小さな商店街「花咲小路商店街」たくさんのユニークな人々が暮らし、日々様々な事件が起きる。英語塾の講師、和食処を営む祖父母のもとに居候する若手刑事、わけありな十代の女の子などなど、主人公が毎回変わります。トラブルが起こるのになんだかどこか優しい…小路幸也ワールド。じんわり心温まる“ほっこりミステリー”です。


畠中恵『しゃばけシリーズ』(新潮社)
 虚弱体質で外出もままならないが、頭脳明晰で難問の怪事件の謎を解く若旦那と動けない若旦那の手足となって探偵活動を助ける愉快な妖怪たち。ミステリーと時代小説とファンタジーの魅力を併せ持つ“妖怪捕物帳”です。事件は起きるのになぜか安心する…こちらも“ほっこりミステリー”です。時代小説が苦手な方も読みやすい物語です。


中山七里『刑事犬養隼人シリーズ』(角川書店)
 目や唇の動きなど、表情を見ただけで嘘を見抜く鋭い洞察眼を持つ、警視庁捜査一課の刑事“犬養隼人”。一課のエースであるが、人との馴れ合いを好まない孤高の存在。そして、なぜか女性には滅法弱い。しかし、いざとなると殺気を孕むほどの眼光で凶悪犯と対峙し、事件を解決する。「命」がテーマのミステリー作品です。


赤川次郎『三毛猫ホームズシリーズ』(光文社)
 優雅で上品、きりっとした顔立ちの三毛猫“ホームズ”何を隠そう、この猫は探偵なのです。人間顔負けのユニークな推理と鋭い冴えで事件をあざやかに解決します。そして、相棒の刑事“片山義太郎”は血を見るのが大嫌い、アルコールはダメ、おまけに女性恐怖症と三拍子揃った頼りない独身男性。猫と人間の不思議なコンビがスリリングに活躍する物語です。1978年に刊行された「三毛猫ホームズの推理」から40年以上経った現在でも新作が刊行される超人気ロングセラー作品です。赤川次郎特有の読みやすい作品です。


 ハラハラ、ドキドキ、読み出したら止まらない!そんな珠玉のミステリー作品をご紹介いたしました。皆さんは読んでみたい作品はございましたか?今回は比較的読みやすいものをご紹介しましたので、ミステリーはちょっと難しくて苦手という方もぜひこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。没入感があって面白いですよ!
 ところで…秋といえば“食欲の秋”でもありますが、わたくしそんなに食べているつもりはないのですが、どんどん体重が増え続けているのです。謎です!恐怖です!これぞミステリーです!トホホ…(花矢・白)