図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常―      258
 
     
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今年も残すところあと5日となりましたが、皆さまにとってどのような一年でしたでしょうか。
 図書館には11月に入ると年末の風物詩「今年の漢字」の応募箱が送られてきます。この箱を見ると今年の出来事を振り返るとともに、今年もあと少し…と思うものです。新年早々、能登半島の震災に始まった2024年、その後も各地で豪雨に見舞われたり、自然災害の多い年になりました。来年こそは平穏な一年になってほしいですね。
 さて、この時期になるとテレビや各新聞社が年末回顧、今年の10大ニュースなど特集します。それを見てあんな事があった、こんな事もあった…と、この一年の出来事を改めて思い出したりします。図書館ではこのような新聞の記事をコピーして、資料として保存し活用しています。これはスクラップブックと呼ばれるもので、おもに地域に関する記事を一冊の本にまとめたものです。この資料は閲覧できますので、時間のある時にゆっくりと見て一年を思い返してみてはいかがでしょうか。


✿過去を振り返る
 このスクラップブック、栗盛記念図書館では「ニュースこの一年」と題し、1983年からのものを保存しています。さて、この年に何があったかとパラパラとめくってみると大きな見出しで「市立図書館が完成」という記事が載っていました。読んでみると、大館市の市立図書館が全面改築の完成を機に名称を栗盛記念図書館から中央図書館に改称、新しく9月1日にオープンした。というもので、工事期間中は三の丸の旧大館警察署跡に移転して業務を行っていた…とも。当時の様子が詳しくわかり、時の流れを感じながら、しばらく見入ってしまいました。
 他にも今年の秋、庭園が国指定名勝に指定された「鳥潟会館」や、比内鶏、声良鶏、金八鶏の3種の総称「秋田三鶏」、秋田音頭にも唄われている大館市の伝統工芸品「大館曲げわっぱ」、大館市出身の「安藤昌益」、「小林多喜二」…などもスクラップしております。地域資料はどうしても不足しがちになりますので、それを補うため資料の一部として活用しております。もちろん、このコラムも「図書館関連記事」として第1回目からの分をスクラップしております。最近では大館市の標柱でたどる「どこでも博物館」の連載記事がこれに加わりました。ご覧になりたい方は、どうぞお気軽にお声がけ下さい。


✿来年は「へび」年
 来年は十二支でいうと「巳」年、動物に当てはめると「へび」年になります。見るだけでも苦手!と言われてしまう事も多いのが「へび」なのですが、脱皮を繰り返すことから「復活と再生」を連想し不老長寿や強い生命力につながる縁起のいい動物と考えられています。「巳」を「実」にかけて「実を結ぶ」年とも言われるようです。このへび、昔話や絵本などにもたくさん登場します。何冊か紹介しますね。


『へびのクリクター』(トミー・ウンゲラー/作・絵)
 『すてきな3にんぐみ』でおなじみのトミー・ウンゲラーの作品です。誕生日に届いた息子さんからのプレゼントのヘビにクリクターと名付け、本当の子供のように可愛がり育てるボドさん。心やさしく賢いヘビ、クリクターとボドさんとの穏やかな生活でしたが、ある日、ボドさんの家にどろぼうが入り騒動が起こります…。


『にぎりめしのすきなだいじゃ』(松谷みよ子/作、長野ヒデ子/絵)
 道に迷った一人の男が大きなつばきの木の下で横になっていたところ、つばきの木と山の神の話し声が聞こえてきました。なんと、その日に生まれた男の子が十二の年にだいじゃに呑まれてしまうらしい。男が急いで家に帰るとその子どもとは自分の子どもだったのです。さて、どうなるのか…。


『まるのみへび』(花田鳩子/文、植垣歩子/絵)
 野原に住んでいる大きくて大食いのヘビ。カエルやブタをまるのみにしてしまいます。ところがヘビのお腹の中では…? まぬけでにくめないヘビのお話です。
 どれも楽しく心あたたまるお話ですので、どうぞ手に取ってご覧ください。


✿年末年始のお知らせ
 栗盛記念図書館・花矢図書館・田代図書館は年末年始、1229日(日)から1月3日(金)まで、比内図書館は1228日(土)から1月6日(月)まで休館させていただきます。それに伴い、1228日(土)まで本の貸し出し期間を3週間に延長しております。年末年始のひとときを読書でお楽しみください。また、本日、1227日(金)は全館とも17時で閉館になりますので、ご利用に際してはご注意ください。
 今年も大館市立図書館をご利用、ご支援いただきまして誠にありがとうございました。来年もどうかよろしくお願いいたします。皆さまにとって良い年でありますように…職員一同皆さまのご来館を心よりお待ち申し上げております。(栗盛・架)