『懲りずに分類記号の話』(2013/02/13掲載)

 この冬は長期予報どおり暖冬なのでしょう。最高気温がプラスの日が多いし、雪が北陸みたいに湿っぽいですから。でもやっぱり、暖冬と言われると雪は少ないと思いますよね、大概。


図書分類をもう一度


 まずはお詫びと訂正から。前回のこのコラムで図書館員として恥ずかしいミスをしてしまいました。

図書の分類記号の話で、肝心の記号の表示に誤りがありました。3桁の数字の後にピリオド(.)を置いて、さらに数字を足して細かく分けていくのですが、ピリオドが誤ってコンマ(,)になっていました。初歩的なミスで本当にお恥ずかしい次第です。すみませんでした。

 言い訳するわけではありませんが、記号の名前って、迷いませんか?開き直るわけではありませんが、私はダメですね。スラッシュ(/)とハイフン(-)がまずダメです。コロンってなんだっけ、とよく思います。システムエンジニアにはなれないタイプです。

 それでは気持ちを引き締めて、分類記号についてもう一度。

 書棚の脇に貼ってある第2次区分表(綱目表)。3桁の数字が書かれていますが3桁目は0なので実質2桁目までの分類を表します。普通は、たとえば9類の文学なら、900の「文学」が太字で表され、910「日本文学」から990「その他の諸文学」までは1文字下げて書かれています。つまり、文学という枠の中で910以降はその下位概念が並んでいるわけです。

 ところが、そうでないものがいくつかあります。

 順にみていくと、1類の「哲学」では160「宗教」が太字で字下げなし。これは、100から150までは哲学関係で、160から190までは宗教関係と、ある程度関係は近いものの概念は異なるふたつのものを1類にまとめたということです。言い換えると、10個の枠に収めるために、本来別立てすべきものを一緒にしたわけです。

 同じように、2類の「歴史」では290「地理、地誌、紀行」、4類「自然科学」では490「医学、薬学」、5類「技術、工学」は590「家政学、生活科学」、7類「芸術、美術」では780「スポーツ、体育」と790「諸芸、娯楽」、以上が太字で字下げなしになっています。

 反対に2文字分字下げされているものもあります。自然科学の中の470「植物学」と480「動物学」。これは460「生物化学、一般生物学」の下位概念であることを示します。上のポストが空いていたために繰り上がったラッキーなジャンルです。もっともどちらも質・量ともに充実したジャンルではありますが。

請求記号と分類記号

 さて、目を転じて書棚の本を見てみると、本の背には背ラベルが貼られています。大館市立図書館では、以前は上下3段の背ラベルでしたが、現在は1段のすっきりしたものに貼り換え中です。だいぶ進みましたが、何しろ数が多いのでもう少しかかりそうです。

 背ラベルには、請求記号が書かれています。請求記号は、当館の場合分類記号と著者記号(氏名の最初の読み仮名です)で表しています。宮部みゆきの小説なら「913.6ミ」です。三浦しをんや湊かなえや道尾秀介の小説も同じ記号ですが、書棚ではみうら―みちお―みなと―みやべと、2字目以降の読み順に並ぶので問題はありません。

 市立図書館の背ラベルの分類記号は3桁か4桁で表しています。そうなると、ひとつの分類記号でかなり広範囲のジャンルになることがあります。たとえば先にも出た「家政学、生活科学」。3桁の第3次区分表(要目表)で593「衣服、裁縫」、や596「食品、料理」などは、和服から下着まで、フルコースからおやつやエスニック料理までといったように、探しにくくてしょうがないことになります。なにせ、5桁にしたとしても596.65ならケーキから和菓子、アイスクリームまで含んだ「菓子」ですから。でもご安心ください。適宜見出し表示板を置いて分かりやすく分けていますので。 (陽)