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図書館に行こうよ ―図書館職員の図書館的日常― |
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夏、ご安全に |
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✿夏到来
栗盛記念図書館にとっての一大イベント「図書館まつり」が今年も開催されました。3連休の初日、連日の猛暑の中でしたが、たくさんのお客様にご来場いただき、誠にありがとうございました。といったところで梅雨も明け、学校も夏休みに入り、いよいよ夏本番ですね。
✿夏が来れば思い出す
この季節になると思い出すことがあります。小学生時代、夏休みには能代の親戚と海に行くのが恒例だったのですが、そこで溺れかけた経験です。2人の従姉妹と浅瀬で遊んでいたのが、気づけばいくら泳いでも浜辺にたどり着けなくなっていました。確かに足がつくところにいたはずなのに、必死で浜辺を目指して泳いでいるのに、足の爪先には砂をかすめる感触しかないのです。少しずつ沖に流されていると悟り、浜辺にいる母に助けを求めて3人で手を振りました。ところがあちらからは楽しく遊んでいる様子に見えたそうで、ただ手を振り返されるばかり。この時私だけ浮き輪をしていたため、怖がりはじめた従姉妹たちに両脇からしがみつかれて圧迫され、波をかぶって水を飲んだりもして、いよいよ苦しくなってきたところで助けが来ました。浜辺で隣にいたグループ(消防の方たちだったとか)が異変に気づいて引き上げてくれたのです。波は高くなかったし、浅瀬のはずだったし、浮き輪もしているし、まさか溺れかけているなんて思わなかった、とは後の母の弁。無事で良かったと喜びあったものの、実は同じ頃、父と伯父が本格的に沖へ流されていました。2人は持っていたものを全て捨て、ひたすら海面に浮いて助けを待ったそうです。幸いライフセーバーの方に救助され無事に戻ってきましたが、水を吐いてぐったりしていた姿は幼心に衝撃でした。今日はもう帰ろうと片付けをしていると、ヘリコプターが飛んでいるのが近くに見えます。帰宅後、そこで亡くなった方がいたことをテレビのニュースで知りました。帰り際に見たのは、捜索に出ていた県警ヘリだったのです。一歩間違えばあの時、私たちも…と、一同青くなりました。
個人的な思い出話を長々と書き連ねてしまいましたが、自然体験の機会が増えるこの季節、危険もすぐ近くに潜んでいます。そこで読んでおきたい本のご紹介です。
『これで死ぬ
アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』羽根田 治/著 山と渓谷社
アウトドアで実際に起こった死亡事例の紹介と、それに対応した「死なないためには」で構成された一冊です。直球すぎるタイトルが目を引きますが、目次を開くと「転倒して死ぬ」「風に飛ばされて死ぬ」「仲間とはぐれて死ぬ」「ダニに咬まれて死ぬ」「カタツムリやナメクジに触って死ぬ」「疲れて死ぬ」などなど、予期せぬ死の危険がこんなにも…と震えが来ます。
『子ども版
これで死ぬ 外遊びで子どもが危険にあわないための安全の話』大武 美緒子/文 山と渓谷社
前述の『これで死ぬ』と同様、事故事例の紹介とその危険を防ぐための解説が掲載されています。さらに、子どもがひとりでも読めるようにふり仮名が付いた漫画のパートもあり、親子で安全を学べるようになっています。自然の中での遊びには危険がつきものですが、危険に対応する力を身につけることで、豊かな自然体験を安全に楽しんでほしい。そんな思いがこめられた一冊です。(栗盛・知)
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